78km

持ちつ持たれつ

朝9時15分に出社して、退社が22時30分。

休憩なんて取れなくて、移動中買ったおにぎりを歩きながら食べる。コンビニのおにぎりがこんなにも美味しいと感じるのは、疲れているのかそれともおにぎりのクオリティが高いのか。温めてもらうが歩いている間に冷めてしまう。だけどお米の1粒1粒がエネルギーになるイメージで食べると、おにぎりから元気をもらえる気がする。お金も時間もないわたしにとって、「150円以下のおにぎり100円セール」は感謝しかない。宗教か何かの壁画レベルで輝いて見える、コンビニが。

土日も平日も関係ないので移動中に子供やカップルが多いと「ああ今日は休日なのか」と理解する。冷たい雨の中傘を差して重い段ボールを抱えながら色気のない黒のウルトラライトダウンを着てボサボサの頭で横断歩道を競歩のように歩くわたしの目の前に手を繋いで楽しそうに相合傘をするカップルを見るたびに「殺す」と心の中で思うけど、横断歩道を渡り切るまでにそれが4回も起こると殺す気力もなくなる。そんな事思いながらも仕事中は笑顔を忘れず励む自分の前世はきっと仏か何かだろうと思えばふと昨年大ヒットした映画の主題歌がふと浮かぶ。

23時半くらいに家に着いて、疲れているのに何故か適当に料理をする。無性に味の濃いものが食べたいから味付けは濃いめ。料理は苦手じゃないから作ったものも美味い。ファッションビルのエアコンでバサバサに乾燥した肌をパックしながらピカチュウピカチュウと言いながら頑張っているアニメを見て何故か泣く。

頂いた暖かくなるアイマスクと肩に貼るシートに癒されながら眠りにつくが、翌日の朝までに何度も携帯を確認してしまう。体調不良が勃発しているからだ。携帯の電源を落として12時間くらい眠りたい。

頑張ってくれている人間に対して精一杯楽をさせてあげたいのに、わたしが至らないばかりに負担をかけさせてしまう。不甲斐ない。ああ過労死ってこういう感じでクライマックス迎えるんだなとイルミネーションの下を歩いていると専務から電話が。頑張っているのを称えられると誰だって嬉しい。だけどわたしは会社の利益のために働いている!とは言いたくない。わたしについてきてくれている子たちのために頑張っている。

後輩ちゃんがわたしを心配して栄養食とチョコレートをくれる。 いつもありがとう。わたしはまだ戦えそうだ。